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裁判所の資料(ファイル)を読む ―もくじ―

裁判所の資料(ファイル)とは
期間入札公告書とは
物件明細書とは
 ├@成立する法定地上権の概要
 ├A負担することとなる他人の権利
 ├B占有状況等に関する特記事項
 └Cその他買受けの参考となる事項
現況調査報告書とは
評価書とは



―Cその他買受けの参考となる事項―(説明、意味、解説)
―Cその他買受けの参考となる事項―(説明、意味、解説)―

そのた、記載される事項以外の買受けの参考となる事項が記載されています。。
(土地・建物に関する事項)
C−1 隣地(地番○番)との境界が不明確である。
C−2 隣地(地番○番)との間で境界確定の訴訟(当庁平成○年(ワ)第○号)が提起されている。
C−3 地籍図上策界未定である。
C−4 本件土地(の一部)は通路(私道)として利用されている。
C−5 売却対象外の土地(地番○番)を通行のため(無償で)利用している。
C−6 本件土地(の一部)は,売却対象外の土地(地番○番)への通行のため(無償で)利用されている。
C−7 売却基準価額は,温泉権を含めて定められている。
C−8
・土地区画整理で清算金の徴収が予定されている。
・土地改良事業で清算金(又は賦課金)の徴収が予定されている。
・○○事業で賦課金の滞納あり。
・マンション建替事業で清算金の徴収が予定されている。

C−9 本件土地上に現存しない建物(家屋番号○番)の登記が存在する。
C−10
・管理費等の滞納あり。
・売却基準価額は,滞納管理費等の額を考慮して定められている。

C−11 本件建物と売却対象外建物(家屋番号○番)の隔壁が取り除かれ,両建物が一体として利用されている。

(建物の敷地利用権に関する事項)
C−12 本件建物のために,その敷地(地番○番(の一部),所有者○○)につき使用借権が存する。買受人は,敷地利用権の設定を要する。
C−13 本件建物のために,その敷地(地番○番,地積○平方メートル(の一部),所有者○○)につき借地権(賃借権)が存する。買受人は,地主の承諾又は裁判等を要する。
C−14 本件区分所有建物を含む1棟の建物のために,その敷地(地番○番,地積○平方メートル(の一部),所有者○○(,借地人○○))につき(転)借地権(賃借権・地上権)が存する。ただし,本件区分所有建物につき,上記(転)借地権(賃借権・地上権)は他の区分所有者と準共有である。
C−15 上記借地権は土地の平成○年○月○日付け抵当権設定登記に後れる。
C−16 上記借地権につき争いあり。
C−17 上記借地権につき,地主から賃貸借契約解除の意思表示あり。
C−18 上記借地に関連して,建物収去・土地明渡訴訟が係属中(○○地方裁判所平成○年(ワ)第○号)である。
C−19 本件建物の敷地に関連して,建物収去・土地明渡訴訟における原告勝訴判決が確定している。
C−20 本件建物所有者と借地名義人は異なる。
C−21 本件建物につき,その敷地利用権はない。
C−22 売却基準価額は敷地利用権が不明であることを考慮して定められている。
C−23 地代の滞納あり。
C−24 地代代払の許可あり。

(その他の事項)
C−25 買戻特約登記は,本執行手続では抹消しない。ただし,買戻権者から,買戻権の行使をせず,買戻特約登記の抹消登記手続について買受人に協力する旨の申出がある。
C−26 質権の登記は,本執行手続では抹消しない。
C−27 処分禁止の仮処分の登記がある。
C−28 執行官保管の仮処分(○○地方裁判所平成○年(ヨ)第○○号)がある。
C−29 売却のための保全処分(○○地方裁判所平成○年(ヲ)第○○号)として○○命令が発令されている。上記命令は,平成15年改正前の民事執行法が適用される事件である。
C−30 ○○(地役権等の目的,例えば「電柱設置」等)のための地役権(又は地上権)設定登記がある。
C−31 地番○番を承役地とする地役権設定登記がある。
C−32 本件建物(土地)は共有持分についての売却であり,買受人は,当該物件を当然に使用収益できるとは限らない。
C−33 ・・審尋(調査)の結果・・
C−34 占有者○○が改装費(又は修繕費・造作費)を支出した旨主張している。売却基準価額は上記改装費(又は修繕費等)を考慮して定められている。
C−35 本件土地の現況は農地ではない旨の農業委員会の回答がある。
C−36 本件建物につき,平成○年(ケ)第○号担保不動産収益執行事件(又は平成○年(ヌ)第○号強制管理事件)が係属している。

―記載事項の解説―
(土地・建物に関する事項)
C−1
隣地(地番○番)との境界が不明確である。

―解説―

このような場合は,買受人としては,隣地所有者と境界確認のための協議が必要となるでしょうし,協議が調わなければ境界確定又は所有権の範囲確認の訴訟又は調停などが必要となるでしょう。

その結果,売却対象土地の地積が物件目録記載の地積よりも少なくなる可能性があります。

この点については,執行裁判所が売却基準価額を定める際に考慮されています。

もっとも,不明確の程度がそれほど大きくない場合は,物件明細書にこのような記載をせずに,また,売却基準価額においても特段の考慮をせずに売却する場合もあります。



C−2
隣地(地番○番)との間で境界確定の訴訟(当庁平成○年(ワ)第○号)が提起されている。

―解説―

隣地との境界について,本件所有者と隣地所有者との間で訴訟が提起されている旨の記載です。

訴訟の進行状況を確認したい場合は,訴訟をしている裁判所の担当部におたずねください。

買受人が代金を納付し,所有権移転を受けた時点で訴訟が係属中であるときは、民事訴訟法の規定により本件所有者に替わり原告又は被告の地位を引き継ぐことがあります。



C−3
地籍図上策界未定である。

―解説―

地籍図とは,国土調査法による地籍調査の成果図で,その写しが登記所に備え付けられます。

地籍調査における現地調査の実施前から,当事者間で境界について争いがあるもの又は境界指示抗の設置について土地所有者間の意見が調わない場合,その他土地所有者等の確認がない場合には,筆界未定として扱われます。

このような場合でも争いの範囲が比較的狭い場合は,筆界未定を前提として執行裁判所が売却基準価額を定めて売却する場合があります。

買受人としては,境界不明確の場合と同様の負担があると思われます。



C−4
本件土地(の一部)は通路(私道)として利用されている。

―解説―

売却対象土地の全部又は一部が不特定多数の人により通路(私道)として利用されているという意味です。

このように記載されるのは建築基準法上の道路とは認められない場合です。

建築基準法上の道路と認められる場合は,物件目録に「(現況)公衆用道路」などと記載されます。複数の人達により通路(私道)として利用されている状況があると,これらの通路等を廃止するのは事実上困難を伴うでしょう。



C−5
売却対象外の土地(地番○番)を通行のため(無償で)利用している。

―解説―

売却対象土地が無道路地などで,通行のために売却対象外の土地を利用していることを意味します。

今後,土地を利用していく上で,売却対象外土地に依存しなければならず、買受人は,同土地の所有者との利用関係を維持する必要があります。公道に至るための他の土地の通行権が認められる場合に限らず,通行の事実がある場合一般の記載です。



C−6
本件土地(の一部)は,売却対象外の土地(地番○番)への通行のため(無償で)利用されている。

―解説―

売却対象土地を特定入が通行しているという意味です。例えば奥にある無道路地に居宅を有する人が,公道との出入りのため土地を通行しているような場合です。

このような場合,公道に至るための他の土地の通行権が認められて買受人は法律上通行を受忍しなければならないこともありますが,そこまで至らないときでも通行を制約することは事実上困難を伴うでしょう。



C−7
売却基準価額は,温泉権を含めて定められている。

―解説―

温泉権を不動産の従たる権利と認めたので,執行裁判所が売却基準価額を定めるについては温泉権の価値も考慮したという意味です。この場合,温泉権は上記不動産と一体として競売の対象となると考えられます。

執行裁判所としては,温泉権は不動産と共に買受人が取得することを前提として売却基準価額を定めていますが,その権利の帰属(権利が誰にあるか。)が争われた場合には,最終的には訴訟によりその権利関係が決まることになります。



C−8
・土地区画整理で清算金の徴収が予定されている。

―解説―

買受人は,本件土地の代金を納付するほかに,土地区画整理の事業主体から清算金の請求を受けることがあります。

清算金は換地処分の公告があった日の翌日において確定します。詳しくは事業主体にお尋ねください。



・土地改良事業で清算金(又は賦課金)の徴収が予定されている。

―解説―

買受人は,本件上地の代金を納付するほかに,土地改良の事業主体から清算金(又は賦課金)の請求兵受けることがあります。

清算金は換地処分の公告があった日の翌日において確定します。詳しくは事業主体にお尋ねください。



・○○事業で賦課金の滞納あり。

―解説―

土地区画整理法、土地改良法その他の法徐に基づき土地の換地処分が行われる際に,事業主体は事業の必要経費に充てるため,対象土地の所有者に賦課金の徴収をすることがあります。

この場合,所有者が賦課金の支払を滞納していると,その土地を競売により取得した買受人も承継人として支払義務を負うことになり,事業主体から所有者が滞納した賦課金の徴収を受ける可能性がありますので,そのことを知っていただくための記載です。

滞納額は時の経過により増減します。



・マンション建替事業で清算金の徴収が予定されている。

―解説―

マンション建替事業により,再建マンションの区分所有権又は敷地利用権の価額と,従前有していた区分所有権又は敷地利用権の価額に差額があるときは,施行者は,その差額を清算金として所有者から徴収し,又は交付することになっており,これらの権利義務は,清算未了中に競売等により所有権の移転があると新所有者(買受人)に承継されます。
その清算金の徴収が予定されている場合の記載です。



C−9
本件土地上に現存しない建物(家屋番号○番)の登記が存在する。

―解説―

売却対象の土地を所在地番とする建物の表示登記がありますが,その建物は現存しないという意味です。

現存しない建物でも、土地上に表示登記が残っていると,新建物の表示登記をする際に旧建物の滅失登記をしないと新建物の表示登記の申請ができないなどの影響が考えられます。



C−10
・管理費等の滞納あり。

―解説―

物件がマンションの場合,管理費や修繕積立金,駐車場代,管理組合が立て替えている地代などの滞納があると,区分所有法の規定により,買受人がその滞納金の請求を管理組合等から受けることがあるので、滞納があることを知っていただくための記載です。

現況調査報告書又は評価書に記載されている滞納額は調査時のものですので,時間の経過により増減します。

なお,滞納管理費等は,必要に応じて評価の過程で考慮されることがあります。



・売却基準価額は,滞納管理費等の額を考慮して定められている。

―解説―

滞納管理費等の意味は,上記のとおりですが,滞納管理費等が売却基準価額に反映される場合,執行裁判所によっては,評価の過程では考慮されず、執行裁判所において滞納管理費等を考慮した一定額を評価額から控除して売却基準価額を定める取扱いもあります。

この場合は,売却基準価額と評価額が異なることになるため,このような記載がなされます。



C−11
本件建物と売却対象外建物(家屋番号○番)の隔壁が取り除かれ,両建物が一体として利用されている。

―解説―

買受人は,売却対象外建物の所有者と,建物の利用や登記について,協議あるいは訴訟等が必要となることが予想されます。



 (建物の敷地利用権に関する事項)
C−12
本件建物のために,その敷地(地番○番(の一部),所有者○○)につき使用借権が存する。買受人は,敷地利用権の設定を要する。

―解説―

本件建物についての敷地利用権が土地の使用借権(無償で借りている権利)であることを意味し,敷地利用権を買受人が引き継ぐことはできず,建物を維持するためには,地主との間で新たな敷地利用権(賃借権など)の設定をしなければなりません。

敷地利用権の設定を受けられないときは建物の収去(取壊し)を求められる場合もありますので,買受けを検討するときは,十分注意してください(土地賃借権の場合と異なり地主の承諾に代わる裁判を取得する方法はありません。)。



C−13
本件建物のために,その敷地(地番○番,地積○平方メートル(の一部),所有者○○)につき借地権(賃借権)が存する。買受人は,地主の承諾又は裁判等を要する。

―解説―

本件建物のために,その敷地(地番○番,地積○平方メートル(の一部),所有者○○)につき借地権(賃借権)が存する。

受人は,地主の承諾又は裁判等を要する。

敷地利用権が土地賃借権(地代を払って借りている権利)であることを意味し,対象土地,土地所有者(地主)名が括弧書きで記載されます。契約内容の詳細はここでは記載されません。

借地契約を買受人が引き継ぐには,地主の承諾を得なければなりません(その際,承諾の条件として金銭の支払が必要となる可能性もあります。)。

地主が承諾しないときは、代金納付から2か月以内に借地の所在地を管轄する地方裁判所に対し借地借家法20粂により 「土地賃借権譲渡許可」の申立てをして,「承諾に代わる譲渡許可の裁判」を取得する方法があります。あるいは,借地の所在地を管轄する簡易裁判所に対して,地主の承諾を求める宅地建物調停を申し立てる方法もあります。

この場合は前記の期間内に調停の申立てをしておけば,仮に調停が不成立に終わっても,その不成立の日から2週間以内に「土地賃借権譲渡許可」の申立てをすることにより適法な期間内に中途でかあったものとみなされます。



C−14
本件区分所有建物を含む1棟の建物のために,その敷地(地番○番,地積○平方メートル(の一部),所有者○○(,借地人○○))につき(転)借地権(賃借権・地上権)が存する。ただし,本件区分所有建物につき,上記(転)借地権(賃借権・地上権)は他の区分所有者と準共有である。

―解説―

物件がマンション等の場合において,敷地利利用が所有権の共有ではなく,借地権(地上権,賃借権)又は転借地権の共有(準共有)であることを意味します。

一般的な所有権の共有マンションと異なり,敷地利用権の設定について,区分所有者と地主(借地権者)との問に借地権設定契約等が存在します。当該借地権が賃借権の場合、それを引き継ぐためには,原則として,地主の(転借地権の場合は借地権(賃借権)者からも)承諾が必要ですが,その手続の詳細については地主等に確認を要します(その際,承諾の条件として金銭の支払が必要となる場合もあります。

また,地主等が承諾しないときにに承諾に代わる浪浪許可の裁判が必要となります。)。

管理費等の他に別途地主(借地権者)に対して地代の支払が必要となります。



C−15
上記借地権は土地の平成○年○月○日付け抵当権設定登記に後れる。

―解説―

本件建物の敷地利用権として,表示された借地権は,土地の抵当権の登記より後れるため,もし敷地が競売になると,敷地の買受人から,建物の収去(取壊し)を求められることがある不安定な権利であることを意味します。



C−16
上記借地権につき争いあり。
C−17
上記借地権につき,地主から賃貸借契約解除の意思表示あり。
C−18
上記借地に関連して,建物収去・土地明渡訴訟が係属中(○○地方裁判所平成○年(ワ)第○号)である。
C−19
本件建物の敷地に関連して,建物収去・土地明渡訴訟における原告勝訴判決が確定している。

―解説―

売却対象建物の存立の基礎となる直前に表示された借地権(「本件建物のために,その敷地(地番○番,地積○平方メートル(の一部),所有者○○)につき借地権(賃借権)が存する。」との記載について,地主等と争いがあり,その争いがどの段階のものかが記載されています。

ただし,売却手続が進行する時間的推移の中で,ここに記載された次の段階に争いの程度が進んでいる場合もありますので注意してください。
これらの争いがあるときは,争いの段階に応じて地主との交渉はかなり困難が予想されます。また,買受け後に「土地賃借権浪浪許可」の裁判の申立てをしても,認められない可能性もあります。

まして,建物収去土地明渡訴訟の原告勝訴判決が確定している場合は,建物の買受人は,建物を収去(取壊し)して地主に土地を明け浪す法的義務を引き継ぎます(判決の効力が及びます。)ので,いつでも強制執行を受ける立場となります。そのような場合は,地主との間で新たな借地権を設定しない限り,建物を利用することは困難となります(ただ,このような建物でも,現に存在する限り、地主との交渉の余地はあるので,売却の対象にはなります。)。

買受けを検討するときは,以上の点に十分に注意してください。



C−20
本件建物所有者と借地名義人は異なる。

―解説―

裁判所首記官としては,一応借地権があるものと判断していますが,名義が異なる関係で,借地権について争いになる可能性があります。



C−21
本件建物につき,その敷地利用権はない。

―解説―

売却対象が建物のみの場合で,建物存立の基礎となる敷地利用権がない場合の記載です。買受人は地主との間で新たな借地権を設定しない限り,地主から建物の収去(取壊し)を求められることになります。
買受けを検討するときは,十分に注意してください。



C−22
売却基準価額は敷地利用権が不明であることを考慮して定められている。

―解説―

売却対象が建物のみの場合で,建物存立の基礎となる敷地利用捨があるかないかが不明であり,執行裁判所は,そのことを考慮して売却基準価額を定めたという意味です。敷地利用権がないときは上記のようなリスクがありますので,買受けを検討するときは,十分に注意してください。



C−23
地代の滞納あり。

―解説―

地代の滞納は,借地契約の解除事由となるので,その注意のために記載するものです。滞納額は時間の経過により,増加又は減少します。



C−24
地代代払の許可あり。

―解説―

地代の滞納はあるが,直権者が執行裁判所に地代代払許可を申請し認められたことを意味します。この決定により債権者が地代を建物所有者に代わって支払うことができ,現実に支払っていれば,地代滞納を理由とする借地契約解除の心配はなくなります。

しかし,地代代払許可は債権者に所有者に代わって地代を支払うことを認めただけであり,債権者の代払を強制するものではありませんので,債権者が支払わなかったり,支払が不完全な場合(債権者の代払状況は債権者又は地主に確認しないと分かりません。)は借地契約を解除される可能性もありますし,地代不払以外の理由による借地契約解除の可能性も否定できません。

また,地主が地代代払を無視して借地契約解除の手続を進めることもあり得ます。その場合は後日の裁判で借地契約解除の有効性を争う余地もあります。



(その他の事項)
C−25
・買戻特約登記は,本執行手続では抹消しない。

―解説―

最先順位の買戻特約登記があり,裁判所書記官の嘱託ではその登記を抹消することができません。

買戻特約登記を抹消するには,登記名義人と共同で登記申請することになりますので,買受人から買戻権者に協力を求めることになります。



・ただし,買戻権者から,買戻権の行使をせず,買戻特約登記の抹消登記手続について買受人に協力する旨の申出がある。

―解説―

買戻権者から,買戻権を行使しない(又は行使しなかった)旨及び買戻特約登記の抹消登記手続について買受人に協力する旨の申出があることが,事件記録上顕れているときは,左記のように記載されます。



C−26
質権の登記は,本執行手続では抹消しない。

―解説―

存続期間が満了しており,買受人が引き受ける権利とは認められませんが,登記は最先順位のため,裁判所書記官の嘱託では登記を抹消できないことを意味します。登記を抹消するには,登記名義人と共同で申請するか,訴訟によるしかありません。



C−27
処分禁止の仮処分の登記がある。

―解説―

仮処分の登記は,最先の登記より後順位であれば,代金納付時における裁判所書記官の嘱託により,抹消されますが,買受人は抹消された仮処分の債権者であった者から所有権の帰属をめぐって訴えられる可能性を否定できません。

この記載があるときは,上記の趣旨を踏まえ、弁護士に相談するなど十分に調査をして慎重に判断してください。



C−28
執行官保管の仮処分(○○地方裁判所平成○年(ヨ)第○○号)がある。

―解説―

所有者が競売不動産の占有者に対する明渡請求権を保全するため,執行官保管の仮処分がなされている場合です。

この場合保全債権者は所有者であり,買受人が保全債権者の地位を引き継ぐことになります。所有者と占有者との間で争いのある場合なので,よ<調査をして判断したほうがよいでしょう。



C−29
・売却のための保全処分(○○地方裁判所平成○年(ヲ)第○○号)として○○命令が発令されている。

―解説―

民事執行法王の保全処分として,執行裁判所が,所有者等に対し,目的不動産に関する一定の行為を命令又は禁止する等の命令を発していることを示しています。

なお、占有移転禁止命令の場合,物件の買受人は,保全処分の相手方に対する引渡命令が発せられたときは,現在の不動産の占有者(イ呆全処分の発令を知って当該不動産を占有した者や当該決定の執行後に当該執行がされたことを知らないで相手方の占有を承継した者)に対する承継執行文の付与を受けることにより,その占有者に対し不動産の引渡しの強制執行をすることができます。



・上記命令は,平成15年改正前の民事執行法が適用される事件である。

―解説―

占有移転禁止命令の場合で,かつ、左記の記載がある物件について,代金納付後も同様の保全措置を必要とする場合は,最高価買受申出人又は買受人は,民事執行法77条に基づき別途保全処分の申立てをする必要があります



C−30
○○(地役権等の目的,例えば「電柱設置」等)のための地役権(又は地上権)設定登記がある。

―解説―

最先順位の登記ではないため,執行手続上は代金納付の際の裁判所書記官の嘱託により抹消されることになる地役権又は地上権の登記がある場合の記載ですが,公共目的であるため,事実上買受人がその負担を回避することが難しく,実質上は買受人の負担となる可能性が高いため,注意喚起として記載してあります。

執行手続上買受人が引き受けることとなる地役権又は地上権は,「買受人が負担することとなる他人の権利」欄に記載されます。



C−31
地番○番を承役地とする地役権設定登記がある。

―解説―

本件土地を要役地,売却対象外の土地を承役地とする地役権設定登記が本件土地の登記記録にあるという意味です。

買受人は要役地を取得するのですから,利益であるとも言えますが,本件土地を利用する上で他の土地と関係を持っていかなければならないことにもなります。



C−32
本件建物(土地)は共有持分についての売却であり,買受人は,当該物件を当然に使用収益できるとは限らない。

―解説―

建物(土地)の共有持分を競売により取得したとしても,建物(土地)の完全な支配権を得たものではないので,建物(土地)からの占有吉の排除やその利用(共有者の誰に使用させるか又は誰かに賃貸するかなど)については,他の共有者と協議して決めなければなりません。

また,他の共有者が占有している場合,又は共有者の一部から使用を許されている者が占有している場合に,それらの占有者には引渡命令が発令されない可能性があります。

その意味で,買受人は当然に使用収益できるとは限らないということになります。よって,共有持分の買受けを検討されるときは,以上のことを考慮してください。



C−33
・・審尋(調査)の結果・・

―解説―

これは,執行裁判所が関係人から事情等を聴取(これを「審尋」という。)又は調査し,その結果を踏まえて売却条件が定められていることを明らかにしたものです。



C−34
占有者○○が改装費(又は修繕費・造作費)を支出した旨主張している。売却基準価額は上記改装費(又は修繕費等)を考慮して定められている。

―解説―

占有者が,売却対象不動産について,修繕費などの必要費又は改装費などの有益費を支出した旨主張していることを意味します。

占右者が必要費又は有益費を支出したときは,占有物返還の際に,民法上の一定の要件の下に,所有者に対しその償還を請求でき,また造作についても,一定の要件の下に買取りを請求できることとされています。

競売手続においては,買受人がこれらの請求を受けることがあり得ますので,買受けを検討するときは十分注意してください。

なお,必要に応じ執行裁判所が売却基準価額を定めるにあたり考慮することもあります。後段はその場合の記載です。



C−35
本件土地の現況は農地ではない旨の農業委員会の回答がある。

―解説―

登記地目は田,畑又は牧場ですが、農業委員会から,現況は農地ではない旨の回答があったことを意味します。

農地法所定の制限を受けない物件として,通常の物件と同様に売却することになりますが,登記地目は現状のまま買受人に所有権移転登記がなされます。

そのため,地目変更の必要がある場合は,別途買受人において登記申請をする必要があります。その際,原則として,農地に該当しない旨の都道府県知事または農業委員会の証明書等あるいは転用許可があったことの証明書等が必要となります。

それらの手続の詳細は,登記申請については法務局,上記証明書の発行については都道府県または農業委員会に確認してください。



C−36
本件建物につき,平成○年(ケ)第○号担保不動産収益執行事件(又は平成○年(ヌ)第○号強制管理事件)が係属している。

―解説―

これは,物件明細書作成後に担保不動産収益執行事件又は強制管理事件の管理人が賃貸借契約を結んだ場合,その賃借人にも明渡猶予が認められることを注意喚起するための記載です。
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