不動産競売(けいばい・きょうばい)物件の情報とノウハウを手に入れる

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競売ノンフィクション物語 ―もくじ―
  @競売手続き、落札編

プロローグ
裁判所資料の閲覧開始と現地調査
入札開始〜売却決定
代金納付通知到着
引渡命令手続き
動産引渡しの念書署名

  A落札後、リフォーム編

ゴミ片付け開始
不動産引渡命令の送達証明
リフォーム開始
電気温水器の取り付け
リフォーム完了、入居者募集
エピローグ



―@競売手続き、落札編― プロローグ
大家さんになるまでのノンフィクション物語

私が実際に、初めて不動産を購入し、大家さんデビューするまでの軌跡をお伝えします。


★プロローグ

大家さんデビューできた、2004年11月に手に入れた初投資の物語です。1件目の不動産を競売で落札し、入居者が決まり家賃が手に入るまでの軌跡をお伝えします。


将来に漠然とした不安を感じ、このまま仕事をしているだけでは「だめ」なのではないかと考えていたときに、

金持ち父さんの本に出会いました。

金持ち父さんの本については、賛否両論ありますが、私は素直によいところを生かそうと思いました。

将来に対し漠然と感じた不安の原因は、やはり金銭的な不安でした。

その、金銭的な不安を解消するために私が選んだ道が、不動産投資です。


★不動産の選別

お金を借りて、一棟ものマンション、アパート投資をする、根性のなかった私は、手持ちの現金で、購入できる範囲の小さな不動産を買うことにしました。

予算は、600万円までと決め、競売で不動産を探し始めました。このときは通常の売買で購入することは考えていませんでした。


区分所有マンションに狙いを定めた理由として、

1、現金での投資ですので、値段の高いものは買えない
2、都心の駅近、不動産がほしい
3、勉強のため、自分で管理・運営をしたい
4、サラリーマンが本業なので、手間を暇をかけられない

現在の自分自身の状況と資金力、狙う不動産を考えれば、自然と区分所有マンションにきまりました。

―裁判所資料の閲覧開始と現地調査―
★裁判所資料の閲覧開始 2004年 9/6(月)

競売で物件を探す条件として、落札価格600万円まで、大阪市内、駅まで10分以内。と決めました。

築年数や間取り、広さなどは、家賃収入との関係で利回りがよければ気にしないことにしました。

いざ、探してみるとなかなか「入札したい」と思う物件がありません。

そんな中、目にとまったのが、1件目に購入することとなるこの不動産です。


昭和49年12月築の古い2DKのマンションです。最低売却価額、271万円。買受申出保証額55万。


広さも中途半端で、古い区分所有マンション。誰も見向きもしないような物件です。

私の考えでは、ワンルームマンションは、あまり好きではなく(個人的な好みです)

ファミリータイプのマンションは、落札金額が高く、利回りが合いません。

私にしてみれば、ちょうどよい条件が、築年数の古い、2DKでした。しかしワンルームマンションやファミリータイプは競売でもよく出てくるのですが、

この2DKタイプのマンションは、市場自体に流通している数が少ないので滅多にでてきません。


★インターネットにて資料(三点セット)の閲覧

主要な裁判所は、インターネットで競売情報を見れるようになりましたので、いちいち裁判所まで資料(三点セット)を確認しなくて良くなりました。

インターネットにて、まずは裁判所の資料を確認しましょう。

競売物件のデメリットのひとつでもある、事前に部屋の中の確認はできませんので、裁判所の資料にある、写真が大切な情報源になります。

資料と写真を見る限りでは、どうも空家のようです。しかもかなりの動産(ゴミや家具)が散乱していました。

落札できても、かなりのリフォーム費用を覚悟しなければ、、、。

裁判所の資料を見る限り、特にややこしい問題はなさそうなので、入札することを前提に、現地調査をすることにしました。

★現地調査

いよいよ、現地調査です。

まずは、物件自体の印象をチェックです。

マンションの外観、これが築30年?と思うぐらいきれいに修繕されたマンションで、合格です。

マンションのエントランス、清掃も行き届いており、広々としたきれいなエントランスで、合格です。

入居者募集の際、第一印象が大切なポイントですので、きれいな外観と広々としたエントランスは申し分ないの条件です。

共用廊下もエレベーターもきれいでした。同じ築30年でも修繕や管理の違いにより、差がありますので、現地調査の重要なチェックポイントです。

自分自身が、ここなら「住みたい」と思えるような立地と外観などの印象を確認しましょう。

この物件は、合格でした。


今回は空き家の物件ですので、所有者に訪問する必要はありませんので、まずは管理人さんに聞き込みです。

すごく、感じのよい管理人さんで、2年ぐらい空き家であることとを聞き出せました。

人の出入りもまったくないそうです。「何組の人がおにいちゃんのように聞きにきてるよ」といっていました。

「おにいちゃんのような若い人に住んでもらいたいわ」ともいってくれました。。。落札できても、投資用ですので住む予定はありません。とは言えませんでた。。。

管理人さんの話だと、所有者の人はいい人で、途中に滞納している管理費と修繕積立金を一部支払ってくれたそうです。

これだけの情報が聞けば、十分です。

―入札開始〜売却決定―
★入札開始 9/27(月)

いよいよ、入札が開始されました。

現地調査の結果、入札することに決めていましたので、所定の手続きをします。

まずは、最低入札価額の2割の保証額を指定の口座に振り込みをその領収書をもらい、住民票などを用紙、入札書に入札価格を記入するだけです。

いったいいくらで入札するのか、、、。一番重要な決定をしなければいけません。

私の予想では、築30年、40uの2DK、入札する人は少ないとの読みがありますから、安く手に入ると見込んでいます。


ちょうど入札の書類を裁判所にとりに執行官室を訪れた時、30代後半の女性二人組が執行官にいろいろと質問をしているところでした。

気になって話を立ち聞きしていると、どうも同じ物件を狙っているみたいです。はじめての競売不動産らしく、入札の方法などを質問されてました。

落札後のことも、いろいろと質問されているみていで、執行官に「自己責任です」と言われていました。少し距離のあるところから盗み聞き(笑)していましたので、断片的にしか聞き取れません。

そんなに長く、その場にいるわけにもいきませんので、すごく気になりましたが、書類をもらうと執行官室を後にしました。


★入札期日 10/ 4(月)

入札金額は、406万円と記入し入札完了です。あとは、開札を待つのみです。


★開札 10/ 8(金)

いよいよ開札の日が来ました。この日は仕事があり、裁判所まで開札を聞きに行くことはできませんが、昼過ぎに電話で確認です。

※裁判所に直接電話で問い合わせしても、教えてくれません。競売業者かインターネットで確認しましょう。一部インターネットに未対応の裁判所もあります。

電話で、競売業者へ連絡しました、、、。競売の事件番号を伝えれば、開札結果を教えてくれます。

電話越しに、

「1位406万円、○○ ○○さん、

2位401万円、○○ ○○さん 

3位385万円、○○○ 有限会社、、、」と続きます。


1位のときに私の名前が呼ばれました。

1位を聞いた時点で、ガッツポーズをしたい気分でしたが、同時に不安も覚えました。

まさか、こんなにも簡単に落札できるとは思っていませんでした。しかも2位との金額差、5万円。

出来すぎの落札です。

競売の場合、落札できても、引き渡しがスムーズにできるとは限りません。引き渡しができないかぎり、人に貸すことも住むこともできません。

これが、通常の売買・取引と大きく違う、競売不動産最大のデメリット、不安要素です。

私、落札できたことに、楽観せず、これからの手続きのことが一番に頭をよぎりました。


★売却決定 10/15(金)

落札できても、売却決定の間に、所有者などから、不服申し立て(執行抗告)があると競売不動産の手続きがいったん中断します。

ただし、ここまで手続きが進んだ競売物件ですので、覆ることは考えずらいのも事実です。しかし安心はできませんので、売却決定をうけたときは、少し安心しました

―代金納付通知到着―
★代金納付通知到着 10/28(木)

開札日から、20日後、代金納付通知書がとどきました。この書類に、代金を納付する方法と必要書類が添付されています。

代金納付の期限が定められています。開札日から1か月半〜2か月後が納付の期限の目安です。

代金納付の方法は、落札後の手続き(代金納付)を参照ください。

すぐに代金を納付してもいいですし、所有者を探し、引渡のめどがたってから納付をする人もいます。

最悪の場合、2割の保証額を放棄すれば、白紙にできます。

※ただし、今後競売不動産の購入はできなくなります。

私の場合は、すぐに代金納付の手続きをしました。代金納付をしなければ、引渡命令などの次の手続きに進めないためです。


★代金納付手続き完了 11/ 9(火)

代金納付通知書到着から、約2週間ですべての必要書類と所定の手続きを完了し、残代金351万円を振込みました。

裁判所の代金納付係へいき、必要書類を提出しました。その時に、納付係のひとが、きちんと残代金が振り込まれているか確認後、納付の証明書を発行してくれました。

これで、本日付で所有権が私に移ります。

通常の売買・取引の場合、司法書士の先生が不動産登記手続きをしていただき、手数料が発生しますが、競売物件の場合、裁判所が手続きをしてくれますので、ある意味楽ちんかもしれません。

―引渡命令手続き―
★引渡命令手続き 11/ 9(火)

代金納付手続き完了と同時に、引渡命令の手続きをしました。手続きの方法は、競売の引渡命令と強制執行をご参照ください。

裁判所のマニュアル通り、書類を作成し、手続きすれば誰にでも簡単にできます。わからないことがあれば、裁判所に問い合わせれば、丁寧に教えてくれます。

詳しい書類の作成方法は、引渡命令の手続ページを参照ください。


★引渡命令決定 11/11(木)

所有者が空き家で占有している物件でしたので、すぐに引渡命令が決定されました。いがいと早いと思いました。

裁判所の執行官の言うとおりに書類を作成し、手続きにそって行えば簡単に引渡命令が決定されました。


★引渡命令の正本到着 11/12(金)

不動産引渡命令の正本が私のところに郵送で届きました。仕事が早いですね。

しかし、実際に不動産引渡命令を確定させるには、送達証明書の発行が必要です。この送達証明書とは、相手に引渡命令が届いていることを証明する書面です。

ただ単に、一方的に引渡命令をしても意味がありません。相手にきちんと、届いて初めて効力が発生するみたいです。


―動産引渡しの念書署名―
★動産引渡しの念書署名 11/23(火)

引渡命令の手続きと同時進行で、所有者を探していました。入札期間中に閲覧できる、一般的な裁判所に資料とは別に、落札者しか閲覧できない資料もあります。

その資料の中に、所有者がどこにいるのかのヒントが隠れていたりしますので、かならず閲覧してください。

私の場合、近隣の調査と裁判所の資料から元所有者の引っ越し先がわかりましたので、何度か訪問をしました。

元所有者は、近くに住む両親のところへ同居していました。

何度か訪問をしていましたが、夜勤のある仕事をされているみたいで、なかなか会うことができませんでしたので、連絡先の電話番号を聞き、不動産の中にある動産(ゴミや家具類)を撤去してほしい旨をつたえました。

なんどか、電話連絡しても一向に動産(ゴミや家具類)を撤去する気がなさそうでしたので、しかたなく、私自身が撤去し、費用も私が負担をする旨を伝えると、なんだかほっとした様子でした。後日、動産(ゴミや家具類)の所有権を放棄する念書への署名・捺印を約束し、その時は電話を切りました。


今回の物件は、共有名義になっており、2名の署名・捺印が必要でした。息子と父親が元所有者です。いつも連絡が取れるのは、母親だけでした。

本人に署名・捺印をしてもらわなければ、意味のない書類ですので、本人の都合のよい日時を確認し、11/23(火) 夜10時に、元所有者宅に訪問し、署名・捺印をもらうことができました。

このときに、初めて元所有者と対面しましたが、「気の弱そうないい人」そうな感じでした。同居している両親も人の良さそうな感じでした。

これで、引渡のネックになっていた動産(ゴミや家具類)の撤去もいつでもできる状態になり、無事引き渡しが完了しました。


★登記済書到着 11/25(木)

代金納付手続きを完了してから、3週間ぐらいたってから、登記済書、いわゆうる権利証が裁判所よりとどきました。

やっと、自分のものになった気がします。
  @競売手続き、落札編

プロローグ
裁判所資料の閲覧開始と現地調査
入札開始〜売却決定
代金納付通知到着
引渡命令手続き
動産引渡しの念書署名

  A落札後、リフォーム編

ゴミ片付け開始
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