―現地、競売物件調査の基本―
競売物件の現地調査のポイントは、ずばり!
「引渡しがスムーズにできるかどうか」を調査するといっても過言ではありません。
競売物件のリスクである、不動産の引渡しがスムーズにできるかどうかが費用的にも重要になります。
もちろん、現地にて境界の確認や道路の接道など、現地で調査することはたくさんありますが、競売物件の場合は、「引渡」さえスムーズにいけば、少しぐらいの問題は解決ができます。
裁判所の資料(三点セット)を理解し、現地調査で確認をしましょう。
地方裁判所により違いがありますが、執行官が調査してから、入札できるようになるまで、2ヶ月から6ヶ月間かかります。
裁判所の資料と現地調査の結果が違うことはよくありますので、注意して下さい。
再建築不可や建築基準法の制限などは、裁判所の資料(特に三点セット)を理解すれば、大体の判断はできます。
書類ではわからないことを調べるのが現地調査です。
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―通常の取引、売買と不動産競売物件の違い―
私自身、昼の仕事で不動産売買の仲介の営業をしております。
ふだん私が扱う、通常の取引・売買物件では、たち営業マンが市役所や法務局にて物件の調査をして、重要事項説明書と契約書を作り、購入するお客様に、宅地建物取引主任者が説明をしなければいけない義務があります。
当然なにかミスがあれば、私たちが責任を取ることになります。
よほどのことがない限り、素人である買主が不利になることはありません。
しかし競売物件は、この調査や説明が一切なく、自分で現地を調査し、裁判所の資料(特に三点セット)をよく理解し、自己責任での入札、取引になりますので、十分な調査が必要です。
なにか起こったときの、責任は自分自身で取らなければいけません。裁判所はなにもしてくれないと思って下さい。 |
―競売物件の現地調査方法―
現地調査自体はそんなに、難しくありません。
基本は、所有者や近隣の人たちには、できるだけ会って話をするようにしてください。
いきなりの訪問で、いやな顔をされたりすることもありますが、あくまでどんな人が所有者なのかを確認するのが目的です。
常識のある人かどうかの判断ができる程度の、軽い感じでOKです。
所有者が居住中の場合は、近隣の人達の聞き込みは必要ない場合もあります。
空家や所有者がつかまらないときなどは、隣近所への聞き込みをします。
そのときも、どんな人なのかを軽く聞く程度で大丈夫です。家族構成などを聞き出せればなおよいです。
現地調査をしたら、裁判所の資料では、「所有者居住中」になっていたものが空き家になっていることもありますので、必ず現地調査をして下さい。
マンションなどの区分所有物件の場合は、管理人さんへの調査も忘れずに行なってください。
管理人さんから聞ける情報には貴重なものもあります。
たとえば、居住中の場合、どんな人が住んでいるのかなど常識人であれば、その後の交渉がやりやすくなります。
あと、同じように現地調査をしている競争相手がいるかどうかなどの情報も聞けたりします。 |
―現地調査の注意点―
現地調査は、外観を確認するだけでも、貴重な情報が得られます。
外観が汚かったりすれば、それだけ修繕費がかかります。
第三者の占有者がいる場合は、できるだけ会えるように努力して下さい。
私の場合は、平日、土日、昼、夜など日時を変えて訪問するようにしています。
ワンルームなどの区分所有の場合は、なかなか会えないことも多いですが、家族で住んでいる場合は比較的会って話せることが多いです。
所有者や占有者と会って話してみて、「ややこしそう」であれば、最悪、引渡命令による強制執行を視野にいれた費用計算をしておきましょう。
基本的には、引渡命令がおり、強制執行ができる競売不動産に入札するのがベターです。
費用はかかりますが、「引渡しが受けられない」 という最悪のケースだけは避けられます。 |
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